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  • 出汁の話
2016.03.22

だしのはなし

だしは和食の基本ともいえるスープで、下味としての役割やだし自体を主役とする料理など、ありとあらゆる形をとって数多くの日本料理に使われています。

だしには昆布とかつお節を組み合わせて使うのがもっとも一般的ですが、他の材料としては椎茸や煮干しも使われます。

だしの味の鍵を握るのが「うま味」です。「うま味」は基本味の甘味・塩味・苦味・酸味のどれを組み合わせても説明できない味で、例えば昆布でとっただしには、この「うま味」のもととなる成分のグルタミン酸が含まれています。他に「うま味」成分として鰹節や煮干しに含まれるイノシン酸・干し椎茸に含まれるグアニル酸があり、これら3つの成分をあわせて「三大うま味成分」とされています。

うま味成分は、違ううま味成分同士を組み合わせることでうまみが増す“相乗効果”を持っています。昔から和食で使われている“合わせだし”とは、実はとても理にかなった調理法です。しっかりとうま味を感じることが出来るだしをとるために、2種類以上の材料を用いてだしをとる日本人が大切にしてきた「美味しさ」の知恵なのです。

一般的なだしとして、お吸い物のお出汁があげられると思います。京都の老舗の料亭のお出汁を例にとってみますと、水に昆布を入れて、沸騰後取り上げます。そこに薄く削った鰹節を入れて、数分のタイミングで火を止めます。素早くこしてできあがっただしは、雑味のないすっきりと飲んでおいしいだしに仕上がります。

もともと関西のダシは、昆布とサバとウルメで取るのが主流でした。

関西人は蕎麦よりもうどんを好み、大衆向けのうどんだしには当時高級品だった鰹節や目近節を使うことはあまり有りませんでした。

一方うどんよりもそば文化が広がりを見せる江戸では、高級な鰹節や目近節を使用したそば屋が人気を博します。大正時代の関東大震災後、東京のそば職人が関西に流れ込むことで、関西のうどん出汁の文化と、江戸のそば出汁文化が交流するようになりました。以降、関西のうどん出汁でも鰹・さば・うるめ・目近といった多様な節を用いてだしを取るようになりました

だしは日本料理の基本であり、素材の味を引き立たせる和食には欠かせないものです。だからこそ、私たち日本人はだしの味わいを追求し続けるのかもしれませんね。

 

(特定非営利法人 うま味インフォメーション)

(株式会社 日鰹)

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